
東川町のキトウシ、町内でも高台に位置するこの場所には、シラカバやミズナラが豊かに自生する森があります。屋久島の地杉とアンティークグリーンのガルバリウム鋼板が周囲の自然に溶け込むK邸は、大工であるご主人が自ら施工した、店舗兼住宅です。

設計を担当したのはアーケンの太田貴洋。かつて同じ職場で働いていた「先輩」として、ご主人が設計と手続きを一任しました。「細かい要望はほとんどなく、信頼して全部お任せしました。眺めがいいので2階にリビングを、それと無垢材をたくさん使ってほしいというくらいでしょうか」とご主人は振り返ります。
賃貸からの卒業と、東川との出会い

家を建てようと思ったきっかけは、旭川の賃貸に暮らしながら「家賃がもったいない」と感じ始めたことでした。「寒いし、引っ越したいね」という会話から土地探しが始まりましたが、なかなか条件に合う土地が見つからず難航していたとき、アーケンの太田から「ここを売る方がいる」と東川キトウシの土地を紹介されました。

「木に囲まれた感じになるのがいいかな、と思いました」と奥さまは話します。ご主人も「静かなところで暮らしたかったのでちょうどよかった」と、ふたりの希望が重なり、東川への移住を決断しました。
2階リビングから望む東川の絶景

間取りの最大の特徴は、店舗と住居を分離しながら、2階にLDKを設けた構成です。1階の玄関ホールは広い土間にスケルトン階段が伸び、開放感あふれる空間。階段を上がると26畳ほどのLDKが広がり、屋根なりに沿った天井が独特のリズムをつくり出しています。

テラスからの眺望は格別で、愛犬が走り回り、夏はバーベキューを楽しめる空間としても活躍しているそうです。

コの字型のキッチンを囲む腰壁とリビング収納は、ご主人が「なんとなく思いつきで貼っていっただけ」と笑いながら仕上げた造作で、センスのよさが光ります。建具屋や家具屋が手がけるような細やかな造作もこなせる腕の持ち主だと、太田が惜しみなく称えます。

LDKの中心に薪ストーブ

リビングのほぼ中央には薪ストーブが設置されています。「住み始めて1年近く経ちましたが、薪の扱いにもすっかり慣れました」と奥さまは笑顔で話してくれました。取材した2月の厳寒期も、薪ストーブだけで十分な暖かさを保っていたといいます。家全体の暖かさは住み心地への満足にも直結しており、「家はとても暖かく、2階リビングからの眺めもよくて快適です」と奥さまは話します。
東川の自然に癒されるエステサロン「Amber Spa」

1階奥にあるエステサロン「Amber Spa(アンバースパ)」は、奥さまがすべてのカラーリングと壁紙を選んだ空間です。

優しいピンクとオリーブカラーの受付カウンター、赤い花柄の壁紙が印象的なカウンセリングルームと、色彩豊かで温かみのある雰囲気が広がります。大きな窓から差し込む光が心地よく、旭川から通い続けるリピーターも多いといいます。
「静かで自然豊かな環境でエステを受けると、リラクゼーションにもなると喜んでいただいています」と奥さま。プチ旅行気分で訪れる方も増えているそうです。

大工の技と設計者の感性、そして自然豊かな東川の土地が重なって生まれたK邸。暮らしと仕事が無理なく共存する住まいのあり方を、この家は静かに体現しています。
Amber Spa(アンバースパ) 所在地:東川町西3号北44番地
