
旭川市永山に、一風変わったホテルがあります。その名も「旭川公園ゲストハウス」。ネットの口コミには「あっという間に『ここに住んでいる?』と思うくらい居心地が良い」「至るところにオーナー家族のこだわりが詰まった素敵な空間」といった言葉が並びます。
アーケンが建築工事のコーディネートを担当したこの施設を、オーナーの松本浩司さんとともに紹介します。
旭川公園ゲストハウスとは

2019年秋にオープン。旭川市永山の約480平方メートルの敷地に、共用スペースの「コモン棟」と3棟のタイニーハウスが建ちます。かつて公園があった空き地を活用した場所で、敷地の横には宗谷本線の線路が走り、1時間に1〜2本列車が通るのを眺めることができます。

日中はカフェとしても営業しており、宿泊だけでなく地域の方々が気軽に立ち寄れる「公園のような場所」を目指しています。
コモン棟と3棟のタイニーハウス

コモン棟は天井の高い開放的な平屋建て。薪ストーブの炎を眺めながら長い時間を過ごせる空間です。家具や建具にもこだわりが詰まっています。

ダイニングテーブルはかつて小学校の作業台だったもの

北海道の白樺を岡山県・西粟倉村の家具職人がスツールに仕立てたもの(座面には絵柄が施され、使い込むと別の絵が浮かび上がる)

農機具「唐箕(とうみ)」がコーヒーテーブルとして活躍

ウッドデッキには耐久性の高い屋久島の地杉を採用。コモン棟の白樺の装飾棚など、随所に自然素材が使われています。

宿泊棟は「森」「風」「土」と名づけられた3棟のタイニーハウス。それぞれ形も色も素材も異なり、それぞれ個性的な空間です。1棟を貸し切る隠れ家のような感覚と静けさが、宿泊者から高く評価されています。

オーナー・松本浩司さんに聞く

元中日新聞記者の松本さんが旭川に移住してゲストハウスを開いた背景には、高校時代の原体験がありました。修学旅行の企画を自ら立案し却下された悔しさから、卒業旅行では32人の同級生を率いて北海道旅行を実現。「人生で最もシビれた経験」がその後の人生の軸になりました。

新聞記者として地域のために奮闘する人々を取材するうちに「いつかプレイヤーになりたい」という思いが芽生え、2018年1月25日、夢の中で北海道のゲストハウスを運営している自分を見て決意。同年、家族とともに旭川に移住しました。

移住先として旭川市永山を選んだ決め手は、自然環境だけでなく、地域で出会った人たちの魅力でした。なかでも突哨山で自伐型林業を営む木こり・清水省吾さんとの出会いは大きく、白樺プロジェクトへの参加を通じて旭川との関わりを深めていきました。
アーケンとの出会い

松本さんが最初に相談した旭川の建築会社とは方向性が合わず難航。そんな中、白樺プロジェクトのメンバーでもあったアーケン・藤原社長に相談すると、「住宅だけでなく多彩な建築にチャレンジする会社だから喜んで」と即答。1週間で、他社より1,000万円ほど安い見積もりを提示してくれました。
タイニーハウス・解体材の再利用・地元の自然素材活用・薪ストーブを使った居心地の良い空間づくりという、個性的なコンセプトを「面白い」と前向きに受け止め、設計調整から施工まで現場を取りまとめたのが藤原社長と太田専務でした。

「アーケンさんのコーディネートなしには旭川公園ゲストハウスは実現しなかったかもしれない」と松本さんは振り返ります。
旭川の「普段着の魅力」を伝える場所として

宿泊できるのは1日最大3組。ウェルカムドリンクは白樺の樹液。朝食には旭川近郊の生産者が育てた卵や野菜、地元の味噌を使ったグラノーラが並びます。近隣の銭湯やスナック、裏山の突哨山探索など、ガイドブックには載っていないローカルな旭川を案内してもらえるのがここの醍醐味です。

元新聞記者ならではの情報収集力と人のつながりを持つ松本さんが、旭川の隠れた魅力を直接伝えられる規模感にこだわった結果の「3組限定」です。


旭川公園ゲストハウス
所在地:北海道旭川市永山1条24丁目2
公式サイト:https://asahikawakoen.com/
