東京から東川へ移住。ジャム&カフェ「Tam Jam」が生まれた理由

東川町の田畑に囲まれた広い土地に、カラマツの板張りが印象的な建物が建っています。東京から憧れの北海道に移住し、道内各地のレストランで修業を重ねた田向さんが2021年にオープンしたジャム&カフェ「Tam Jam(タムジャム)」です。アーケンが設計施工を担当したこの店舗兼住宅には、移住と開業にかけた田向さんご家族の思いが詰まっています。

ジャム作りの原点は、北海道の宿のお母さん

田向さんは高校生のころから毎年北海道を訪れていました。馬を見に行ったり、自転車で写真を撮ったり。そのなかで出会った宿のお母さんにハマナスのジャム作りを教わったことが、すべての始まりでした。「作ったジャムをお土産に配ったら、みんなに喜んでもらえた。ジャムってあげやすいし、コミュニケーションツールになるのが魅力的だと思った」と田向さんは語ります。

その後、北見市で建築系の会社に就職しながらも「本当にやりたいこと」を諦めきれず、帯広の調理師学校で料理を学び直しました。仁木町、ニセコ、池田町など道内各地のレストランを渡り歩きながら修業を積み、ジャム作りでつながった農園の人たちとの出会いを重ねるうちに、「人との関わりを楽しみながら自分の店を持ちたい」という夢が固まっていきました。

東川を選んだのは、役場の人の温かさと暮らしやすさ

お店を開く場所を探して東川町を訪れたとき、役場の人たちがとてもよくしてくれたことが決め手のひとつになりました。奥さまも「旭川も近くて安心だし、旭川空港から東京への直行便もある。留萌の私の実家にも近い。子育て環境としても申し分なかった」と話します。カフェが多く、食にこだわる人たちが集まる東川の雰囲気も、田向さんの目指すお店のスタイルと合致していました。

子連れに優しいカフェを作りたい

Tam Jamで特にこだわったのが、子連れで来やすい環境づくりです。「子どもを持ってはじめて、小さい子を連れて入りやすいお店がなかなかないことに気づいた。赤ちゃん連れでものんびり食事を楽しめる場所を作りたかった」と田向さんは話します。

引き戸を閉めると個室になるキッズルームは座敷タイプで、赤ちゃん連れでも安心して過ごせます。東川町の子育てクーポンも利用できることから、子連れのお客様の予約が絶えない人気スペースになっています。

アーケンとの出会いで、農家とのつながりも生まれた

店舗兼住宅を建てられる工務店を探して難航していた田向さんが出会ったのがアーケンでした。「はじめて藤原さんに会ったとき、江丹別のレストラン『chirai(チライ)』に連れていってもらい、アーケンのデザインと施工力を実感した。また、地元の生産者を紹介してもらえるのが大きかった。東川でのつながりがない中で、藤原さんの紹介でジャムに使うイチゴの農家さんとも知り合えた」と田向さんは振り返ります。

店内のカウンターテーブルには、アーケンが参加するシラカバプロジェクトで切り出したシラカバが使われています。田向さんご家族も森へ赴き、シラカバを選んで伐採する体験をしました。「普段は絶対にできない体験。生産から関わったテーブルへの愛着はひとしおです」と田向さん。床、天井、壁、家具に至るまでシラカバを軸にまとめた店内は、北海道の自然をそのまま感じられる空間に仕上がっています。

東川の暮らしと、これからのTam Jam

「自然豊かな土地でのびのびと暮らしていると、東京にはもう戻れない。日々変わる景色を見られるのも満足度が高い」と田向さんは語ります。庭ではルバーブをはじめさまざまな植物を育て、野ウサギが訪れることもある環境で、家族の暮らしも豊かに広がっています。

北海道産果物や野菜に、てん菜糖と国産レモン果汁だけで仕上げた無添加ジャム、地元食材にこだわったメニュー。東川移住と開業の夢を叶えたTam Jam。ぜひ訪れていただければと思います。

ジャム&カフェ Tam Jam(タムジャム)

所在地:東川町西3号北12番地 

営業時間:11:00〜18:00(L.O.17:30) 

定休日:月・火曜日

公式サイト:tamjam-higashikawa.com 

Instagram:@tamjam_higashikawa